看取りというと悲しい、大変なイメージがあるかもしれません。
大切なご家族のことで、初めてのことであれば、猶更です。
家族で看取りを行う場合に、訪問看護を利用した方が良い理由をまとめました。
今、何ができるかを知るために
訪問看護を利用する大きな理由は、看取りを行うにあたって、今、何ができるか知るためです。
時間は元に戻りません。その時だから、やっておいた方が良いことがあります。できなかったと後悔しないようにしてほしいと思っています。
看護師は、病状を判断して、今やっておいた方が良いことを伝えられます。前もって準備が必要なこともお伝えできます。
訪問看護は、身近な医療の相談窓口
訪問看護を利用する大きな理由は、身近に医療の相談ができる事だと思います。今は、3人に1人が癌になる時代です(参考:厚生労働省平成29年(2017)人口動態統計(確定数)の概況)。
ご自身やご家族がインターネットや本などで調べて、色々な知識を得ることも大切です。しかし、疑問に思ったことや、ゆっくり相談したい時、どのように解決されていますか?
先生や看護師さんとゆっくり話ができると良いのですが、通院だと忙しくなかなか時間を取ってもらえないのが現状です。
訪問看護師は、ご本人やご家族のために時間を確保し相談にもゆっくりのることができます。ご自宅での介護や病気の管理についても色々とアドバイスできます。不安なことは、言葉で吐き出すだけでも、心が軽くなりますよ。
家族が介護疲れしないように
訪問看護では利用する大きな理由は、介護疲れしないようにするためです。
ご自宅での看取りをどうしたら良いか悩むこともあります。
毎日の介護に疲れてしまうこともあります。
そういった場合は、
- 介護の具体的な方法
- 無理しない介護の方法
をアドバイスしていきます。
また何が何でも、ご自宅で最期を迎えることが絶対だと思いません。
また、主治医の先生や担当の介護支援専門員病院と連携して、一時入院・入所や最期を病院で迎えるための選択肢もできるようにしています。
介護疲れで、ご本人とコミュニケーションがうまく取れなくなってしまうことは、ご本人とご家族にとって、とても切ないものです。
お別れのタイミングを知る
訪問看護を利用する理由は、いよいよという時を知ることです。
末期がんでの看取りの場合では、特に最後は急速に変化します。
ちょっと買い物に行っている間に、ご本人を一人で旅立たせてしまうこともあります。
看護師は、熱、血圧、脈拍、酸素、顔色、呼吸の仕方などで、ある程度の予測を行います。
そのことで、ご本人と一緒にいた方が良い時を伝えられます。
ご自宅での良い看取りのため
良い看取りとは誰のためでしょうか。
もちろん、ご本人のためです。ご本人が最後まで、ご本人らしく、尊厳を保てることが大切です。
そして、残されたご家族のためでもあります。
お別れして、寂しい気持ちが募ることもあると思います。
そんな時、本人と話したいことを話せた、本人も気持ちを理解できた、本人と一緒にあのことができたと思えることがあれば、思い出せると良いと思います。
ちょっと温かい気持ちになれるかもしれません。
ご家族がその後の人生を、よりよく生きていけることにつながるのではないでしょうか。
最後に
足立区の訪問看護ステーションはなももでは、看取りの日々を介護日記として書き残すことをおすすめしています。
ご本人、ご家族だけでなく、関わった支援者たちで、同じ介護日記に一緒に書いていきます。
そして、いつの日か、開くときに、
その時は気が付かなかった
ご本人の気持ち
ご家族の気持ち
そういったことが見えてくると思います。
そして、もう一回、家族にありがとうと言えると良いなと思います。