末期がんとわかって、家族ができる3つのこと について3回に分けて、記事を書いていきます

 

ご家族が、末期がんで治療の方法がないとわかった場合、ショックですよね。そして、家族として何をすれば良いか、とても悩むと思います。

「本人のために何ができるか」、「何から始めれば良いのか」、いろいろと困惑すると思います。

訪問看護師として、ご自宅での看取りを支援してきた視点で、ご家族でできることを3つお伝えしたいと思います。

1.末期がんになった方の今の気持ちを知る

2.最後はどうしたいかを聞く

3.家族は介護よりもコミュニケーションを大切にする

です。では、詳しく説明していきたいと思います。

 

1.末期がんと知った方の今の気持ちを知る

まずは、末期がんであると知ったご本人がどう思っているかをちょっと想像してほしいと思います。 

悲観になげき、何もしたくない人もいます。先生から自宅に帰るよう言われたら、先生から見放されたと絶望感を持つ方もいます。

残された家族の事や仕事のことを考える方もいます。

病院でやることがないのなら住み慣れた自宅に帰りたいと思う方もいます。自宅で好きなことをやりたいと思う人もいます。

人によって、いろいろな気持ちがあります。

死にゆく人の心理について

エリザベス・キューブラ・ロスが提唱した「死にゆく人の心理プロセス」というものがあります。

1.否認と独立化 

「そんなはずはない」「私ではない」という現実ではあるはずかないという反応 

2.怒り

激しい怒り、恨み、不平不満、投影され、置き換えられた怒り、「どうして私が」という反応

3.取引

「もしも私が死ぬ前に・・・ができるならば」など、避けられない死の延期を願って、神や仏に祈る。

引き換えに良い行いを約束しようとする場合が多い。

4.抑うつ

喪失感、地位や達成感やコントロールの喪失、「しかたがない」予期的な悲嘆

5.受容

避けられない死を悟る、静かな沈黙、平和な休息、死を越えた希望

末期がんで余命を知った方は、この1~5の間を、行ったり来たりすると言われています。

もうできる治療がないといわれた後に、残された時間を有意義に過ごしたいなど冷静に考えられる方は、10人に1人くらいだと言われています。

実際には、不安や混乱でもがいていることの方が多いのです。

末期がんの方でも助かるかもという希望も抱いている

余命宣告を受けても、わずかに助かる見込みがあるのではないかと希望を抱く方も多いようです。

上野郁子さんの研究報告で、「怒りと抑うつと受容の間で、逆戻りするなど複雑な経緯をたどる」ことや、「たとえわずかであっても「希望」は持ち続けている」と述べています。

上野郁子さん:末期がん患者の心理過程についての臨床精神医学的研究(精神神経学雑誌八六 1984年)

統計を取っている訳ではありませんが、実際に接していると「希望」を持ち続けている方は多いのではないかと思います。

気持ちは決まらなくても良い

人の気持ちは、明るい気持ち、平静な気持ち、暗い気持ちがあります。そして、気持ちは、天気が毎日変わるように安定しないものです。

末期がんで、余命を知った方は、1日の中でも変わってきます。

今の気持ちは日々変わるものという前提の上で、今の気持ちを聞いてください。具体的には「気分はどう」とか「何か思うことありますか?」などで構いません。

沈黙もありますが、考えている時なのです。そのため、無理に答えなくても良いし、答えは決まらなくても良いと思っておいてほしいです。

 

 

次回は、2.最後はどうしたいか

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。

長文になってしまったので、次回の記事で書きます。