ご家族が末期がんとわかって、ご自宅で介護を行おうとする方に向けて「家族ができること」をご提案します
ご家族が、病院の先生から、がんの治療はもうないので、家に戻った方が良いと言われました。
家に戻ってきてから、どう接すれば良いのか、家族として何を行えば良いのか悩みますよね。
そんなご家族に読んでいただければと思います。
まずは、本人の気持ちを知る
末期がんであることを分かったご本人が、どういう気持ちでいるのかを想像してみてください。
気持ちを他の人に知ってもらうだけでも、安らぐことがあります。
家族だからこそ、言えること、家族だから聞いてほしいこともあります。
死ぬことがわかってからの人の気持ち
- 先生から見放されたという絶望
- やり場のない怒り
- 悲観になげき、何もしたくない
- 病院でやることがないのなら、住み慣れた自宅に帰りたい
- 自宅で好きなことをやりたい
- 残された家族の事や仕事のことが心配
- 人によって、いろいろな思いや気持ちがあります。
気持ちは日々かわるもの
人の気持ちは、天気のようにくるくると変わるものです。気持ちが安定している時もあれば、不安定な時もありますよね。
体調や環境の変化でも、気持ちは変わります。末期がんの方は、特に気持ちが変わることが多いです。
後悔のないようにする、どうしたいのか知る
本人が思っていることを聞いてみてください。
やっておきたいこと、やり残したこと
最後はどうしたいかなどです。
気分が安定している時など聞けそうでしたら、聞いてみてください。ご本人から言ってくる場合もあります。
無理に聞けない場合は、普段の発言や行動から察してみてください。
- ラーメンが食べたい
- お風呂にはいりたい
- ちょっと行きたい場所がある
- 話をしておきたいことがある
- 何もしなくていいから家が一番いい
と色々な思いがあると思います。
家族は介護よりコミュニケーションを大切に
家族が介護できるのであれば介護した方が良いです。
でも、家族は介護よりもコミュニケーションを優先してほしいと思います。
それは、介護疲れが本人との関係を悪くするからです。
歩けなくなると、介護負担は大きくなります。
昼も夜も介護で休む間がなくなると体も心も余裕がなくなります。早く解放されたいと思うようになっていまいます。
介護疲れで、家族と関係が悪くなるのは、本人にとってつらいことです。
介護は専門家、痛みも専門家に任せる
介護は、専門家に任せた方が良いです。ヘルパーやデイサービスやショートステイなど積極的に利用した方が良いです。
痛みが出てくると、ご本人もご家族も不安になるので、訪問診療や訪問看護を積極的に利用しましょう。
その分、ご家族はしっかりと休んでほしいと思います。
そして、大切な日々を、家族だからできることを行ってほしいと思います。
家族だからできること
専門家ではできないこと、家族だからできることがあります。
それは、本人の寂しさに対する安心感はないでしょうか
家族が安心感につながる理由は、家族は気兼ねしない存在だからです。
あくびや、ごろ寝、トイレに行く姿など、他人の前ではちょっと恥ずかしいですよね。
でも、家族だと気にしないでいられますよね。
体が弱っていく中、弱る姿を人に見られたくないです。
でも、体が弱ってくると寂しいので、人にいてほしいと思います。
そんな時、一緒にいてほしいと思える人は家族でないでしょうか?
家族だからわかること
専門家にはわからないけど、家族だからわかることもあります
それは、思い出です。
知人や親戚の誰かだったり、行った場所だったり、出来事だったり。
時間と行動を一緒にしていた分、一緒の思い出があります。
思い出話に花を咲かせられるのは、家族です。
色々と思い出を振り返るなかで、色々な思いが湧きあがってくると思います。
そのことは、人生をまとめていく上で大切なことだと思います。
それは、色々な思い出に「ありがとう」を見つけられることです。
そして、家族にも「ありがとう」がたくさん見つかると良いなって思います。
最後に 悲しみは人だから癒せる
死を前にして、色々な気持ちや思いがめぐると思います。別れの悲しみは、ご本人も家族もどちらも持っていると思います。
悲しみは人が作り出したものだと思います。そして人が作り出した悲しみを癒せるのも、人なのではないでしょうか。