末期がんの家族を介護する家族の関わり方

ご家族の一人が、病院の先生から、がんの治療は、もうないので、家に戻った方が良いと言われました。
家に戻ってきてから、どう接すれば良いのか、家族として何を行えば良いのか悩むと思います。
そんなご家族に読んでいただければと思います。

 

家族は「介護」より「コミュニケーション」を大切に

すぐにではありませんが、
がんが進行してくると介護が必要になります。
ご家族が介護できるのであれば介護した方が良いです。
ただ、ご家族には、「介護」よりも「家族だからできること」を大切にした方が良いです。

がんの進行により、ご本人が歩けなくなると、介護負担は大きくなります。
トイレの介護は、1日中あります。
昼も夜も、介護で休む間がなくなると体も心も余裕がなくなってきます。
そうすると、介護することから、早く解放されたいと思うようになっていまいます。

そのことで、本人との関係が悪くなってしまうことがあります。
「介護疲れ」で、家族と関係が悪くなるのは、本人にとってつらいことです。

 

「介護」は介護や医療の専門家に任せる

「介護疲れ」を防ぐためには、介護は、専門家に任せた方が良いです。
ケアマネジャーに相談すれば、ヘルパーやショートステイなど介護サービスを紹介してくれます。
また、訪問診療や訪問看護などの医療サービスも積極的に利用しましょう。
介護サービスや医療サービスを積極的に利用することで、「介護疲れ」を防げます。

そして家族は、残された限りある大切な時間を、「家族だからできること」のために使ってください。

家族だからできること

「家族だからできること」の一つは、「本人が寂しい時に一緒にいること」です。
一緒にいることで、安心感につながります。

家族は気兼ねしない存在です。
あくびや、ごろ寝、トイレに行く姿など、他人に見られると、ちょっと恥ずかしいです。
でも、家族だと気にしないでいられます。

また体が弱っていく中で、「弱る姿」を人に見られたくないものです。
でも、体が弱ってくると寂しいので、人に傍に居てほしいと思うものです。
そんな寂しい時、一緒にいられるのは、気兼ねしない家族です。

本人の気持ちを知る

「家族だからできること」の二つ目は、「本人の気持ちを聞くこと」です。
人は、誰かに自分の気持ちを理解してもらえるだけで、気持ちが軽くなります。

人によっては、自分から気持ちを言ってくれる方もいますが、
言わない方も多いです。
「言いたいけど、言えない」「言いたいことが整理できてない」という方もいます。

家族であれば一緒にいる時間が多いので、何気ないときに聞く機会が多くあります。
また、普段一緒にいるので表情や様子から察することもできます。

自分の家族に、理解してもらえることで、より安穏とした気持ちになります。

死ぬことがわかってからの人の気持ち

がんが治る可能性がなくなってしまったこと、末期がんで治療が難しいことを知った本人が、どういう気持ちでいるのかを察してみてください。

がんが治らないということは、死をイメージすると思います。
死に対して、人が抱く感情は、人によっては、それぞれです。

ネガティブな感情であれば、

  •  医師や病院から見放されたという、絶望や怒り
  • なぜ、自分の病気は治らないのかという、やり場のない怒り
  • 残された家族や仕事のことが心配だからまだ死ねないという、執着や不安
  • 死んだらどうなるのだろうかという、恐れ
  • 身体の痛みや苦しみはどうなるのだろうという、嫌悪や不安
  • 頭がまっしろ、もう何もしたくないという、絶望感

などです。
気持ちがわかれば、共感することや対応できることは対応することで、
ネガティブな感情を軽減することもできます。

なかにはネガティブな感情を抱かずに、

  • 残された時間で、好きなことをやりたい
  • 残された家族や仕事に迷惑がかからないように、身の回りのことを整理しておきたい
  • お世話になった人たちに最後の感謝の気持ちを伝えたい

と、残された人生を前向きにとらえる方もおります。

気持ちは日々かわるもの

本人の気持ちがも、日によって変わっていることがあります。
人によっては、気持ちが安定している時もあれば、不安定な時もあります。

体調や環境の変化で、気持ちは簡単に変わります。
特に、ネガティブな感情を抱いていると、気持ちが不安定になりやすいです。
整理されていない様々な感情が、頭の中を駆け巡るので、気持ちの変化が多くなります。

そのため、日によって、場合によっては1日の中でも
気持ちが変わっているということを理解しておいてください。

気持ちを整理して、今何できることを一緒に知る

「家族だからできること」の三つ目は、「気持ちを整理して今できることを一緒に知る」ことです。

残された時間は限られています。
後悔のないように、残された時間で行えることは行った方が良いです。
ただ、病気のことで頭がいっぱいで、整理ができていないことがあります。

そういう時、家族が「やっておきたいこと」はないかと質問していくことで、
本人の気持ちの整理を手伝うことができます。

本人が思いつかない場合は、本人と一緒に思い出話をすることで、思いが湧きあがってくることもあります。
家族であれば、本人と一緒に過ごした思い出が多いので、思い出話に花を咲かせることができます。
そのなかで、自身の人生を整理していくことができます。


人生を振り返って、整理がしていくなかで、
色々な人や物に、「ありがとう」という感謝の気持ちが生まれると、
ネガティブな感情は減っていき、
残された時間を前向きにとらえられるようになってきます。