訪問看護の看取りで大切したいこと

訪問看護ステーション「はなもも」は、通常の訪問看護も行っていますが、メインは在宅の看取り支援のための方も看護です。

末期がんや老衰の方が、ご自宅で最期を過ごすための支援をしています。私たちが考える「看取り支援」についてご紹介します。

看取りで大切なこと

何よりも、ご本人やご家族の想いやニーズを聞き取ることです。できるかできないかは関係なく、話を聞くことが大切です。その上で、できることからご希望に応えていくことを大切にしています。

利用者様やそのご家族は病気に対して知らないことが多く、この先どうなっていくのかというご不安があるので、その不安の解消をしていきます。

退院時に病院のスタッフが、病気がどうなるのか説明してくれているのですが、利用者様や家族がうまく理解できていないことがあります。

そのため、病気が今後どうなるのかよく分かってなく、利用者様もご家族も不安を抱えている場合があります。

痛みを抱えていらっしゃる方も多いので「痛みは我慢しなくて良いんですよ」と伝えています。痛みのない余生を、どの人にも過ごしてほしいなと思っています。

痛みの緩和に関しては、病院の先生にお願いして薬でコントロールしてもらい、さらにマッサージしたり体を温めてあげたり、ご本人が望まれるリラックスできるケアを行います。

看取りで大変だと感じること

告知を行っていない場合

先生の方針によって、例えばガンの告知をしないという方もいらっしゃいます。

患者様は治ると思って、「リハビリをもっと頑張りたい」とおっしゃっても、ガンが骨に転移していたりするとちょっとした転倒が大きな危険につながる場合があります。

このような場合は、なかなか対応が難しいです。それでも、コミュニケーションを取りながら、信頼関係を作り、少しでも話しやすい環境を整えています。

本人、ご家族の思いが一致しない場合

ご本人とご家族の考えが違う場合があります。

家族が複数いて、それぞれに方向性が違う場合もあります。例えば、一人の家族は「病院でもっと治療を受けさせるべき」、もう一人の家族は「無理せず在宅で」という意見があって、方向性が定まらない場合があります。

ご本人、それぞれのご家族の思いがある程度一致しないと、支援がうまくいかない場合があります。

短期間の支援だと私たちは、家族関係や家族背景が分からないことが多いので、ケアマネージャーさんや相談員の方に、情報をいただくなど対応していきます。

家族のサポートも大切

看取りとわかった場合、ご家族は、初めはすごく頑張ってしまう場合があります。しかし、在宅でお世話する状況がどれくらい続くか分からないので、無理のないように支援していきます。

ご家族がちょっとお休みしてもらった方が良いかなという時は、ショートステイや一時入院など、ご家族が介護から解放されるための提案をしています。

深刻な状態になってきた場合は、ご家族を玄関等に呼んで都度、「こういう時期ですよ」とお伝えしたり、また、今後どういうことが起こるのか説明します。

看取りから教えていただくこと

若い方がガンの末期状態になった場合、すごくサイクルが早いので、思い入れも強くなります。ご家族も若いので、ときには自分が母親や姉のような感じで接することもあります。

以前、50代の女性がお亡くなりになったとき、呼吸が止まった瞬間は皆さん泣いていらっしゃいました。

その後の切り替えが早くて、ご家族みんなが「どうしたら、お母さんを綺麗にできるかな」と、23歳のお孫さんも一緒に体を拭き、お化粧も行い、ご本人が気に入っていたお洋服を着せてあげていらっしゃいました。暖かいご家族だと感じます。

そういう場面を見て改めて、「死は忌み嫌うものではなく、受け入れるもの」だと思いました。

誰でも尊厳のある看取り

私はマザーテレサが好きなのですが、亡くなるときは、お金持ちだろうが、貧乏人だろうが、みんな平等だと思います。

お金がないからといってぞんざいに扱われてはいけないし、お金があるからといって特別扱いもよくない。

みんなを平等にケアすることが必要です。

在宅で看取りを支えるために

看取って、1か月後に、ご挨拶に行くのですが、「はなもも」さんで良かったと言っていただけると、私たちのモチベーションになっています。

看取りは、1つとして同じパターンがないので、本当にいろいろなケースを受け入れていくしかありません。

人の死は、命は尊いものなので、いい加減なことはしたくない。私たちにしかできない心の通ったケア・看護を心がけていきます。